「なんちゃって制服」流行
東京で、女子高生の制服に異変が起きている。制服が義務付けられていない高校に「なんちゃって制服」と呼ばれる、制服そっくりの私服を着て通うのがトレンドになっているのだ。昨年二月には専門店も登場、流行は勢いを増している。
女子高生約八千人が登録するマーケティング会社「ブームプランニング」(渋谷区)代表の中村泰子さんが、流行に気付いたのは二〇〇二年ごろ。何人もの女子高生が、会うたびに違う制服を着ていた。
中村さんは「かつて管理教育の象徴とされた制服も、今では女子高生だから着られる特権」と言い切る。このところ若者向け雑誌でも「なんちゃって制服」特集が組まれているという。
こうした盛り上がりを受け、原宿・竹下通り近くにオープンしたのが、スクールアイテム専門店「CONOMi原宿店」。店内にはブレザー、スカート、シャツ、リボンなど一万点以上の制服風アイテムがずらりとそろう。
タレント活動もしている店員の藤岡静香さんはファンの間で「カリスマコーディネーター」と呼ばれ、制服姿でモデル役もこなす。着こなしのアドバイスを求めたり、そっくり同じ商品を買うファンも多いそうだ。
メーンの客層は高校生だが、最近は中学生の姿も。オープン時よりも来店者は四倍に増え、前回は特設会場で三日間だけ開いた展示即売会「ブランド制服コレクション」を、今年は四月六日までの約四十日間に延長した。
今春、都立高校に入学する女子中学生(15)は母親(41)と一緒に見立てに訪れた。「制服はカワイイから大好き」と、熱心に品定めしていた。